脳生理学から見た中学受験の構造を説明していこう。ここで、先の人間の脳のモデルを思い出していただきたい。塾で長時間拘束されて、あるいは大量の宿題を出されてそれに追い回されている状態は、知性脳がいつも興奮し、情動脳、生命脳がずっと抑制される事態が長く続く、ということである。裏返せば、そのぶん、子ども同士の遊このことが、子どもの数の減少や、ファミコンのようなシミュレーション遊びの興隆と相まって、子どもの発達を著しく偏ったものにする危険を生んでいる。こうした発達の歪みは大きく二つに大別される。ひとつは過剰適応の病理であり、もうひとつは、燃えつき症候群や心身症などの不適応である。適応過剰と受験オタク近年、有名私立中学の中に、私が受験オタクと呼んでいる一群の子どもたらが目立つような印象を受ける。もちろん、この受験オタクというのは昔から一定の割合で存在したが、最近の特徴はその低年齢化である。