事件を引き起こした少年の親たちは、裁判が始まるとこぞって「本当は家族の団らんを望んでいた」と証言しますが、それは気持ちの上での話であって、そのための積極的な空間づくりや、子どもの心情を理解する努力は怠ってきたようです。父親の帰りが遅く、子どもとの会話も少なく、教育にも関心が少ない家庭は広く見られますが、そんな状況でも、そこに何らかの愛情を含めた制御作用が働いた場合、子どもは一歩踏みとどまることができます。
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それほど親の子への無償の愛情は強い影響を与えます。(5)新潟少女監禁事件が引き起こされた家の外観を見ると、少女を監禁していた部屋の窓ガラスにはフィルムが張られ、中の様子はうかがい知れない状態になっていました。部屋の中の気配を遮断していたのは女子高生コンクリート詰め殺人事件の監禁されていた場所も同じで、女子高生への虐待が繰り返された部屋の窓には遮光カーテンが引かれていました。したがって、住宅街の道路に面していた窓から屋内の明かりが外に漏れることはなく、完全なブラックボックスになっていました。これらの部屋は家族との接触を遠ざけてしまう間取りになっていたばかりか、ドアにはカギが設置されていたため、密室としても使える条件を整えていたことになります。子どもに与える部屋に親がもっと注意を払い、使われ方などにも目配りをしておけば、家族からの孤立や社会との隔絶は防げたはずです。年頃の子どもを持つ親はこうした点にも十分配慮しなければなりません。