安全が確保されていなければならない

2011-10-13

現地に出向いてさっそく屋上に上がり、防水層の目視調査をはじめたところ、漏水が起こりやすい収縮目地の防水処理がしてないばかりか、施工時に使用した型枠がそのまま残されている箇所があるなど、ずさんな施工が至る所で発見された。そこで分譲会社から竣工図面を取り寄せて現況と見比べてみると、驚いたことに、使用している部材も工法もまったく違っていたのである。竣工図面では屋上防水仕様はアスファルト防水と記載されているのに、ウレタンゴム系の塗膜防水がほどこされており、窓はエアタイト・サッシのところがセミエアタイト・サッシ、便器のグレードも違うなど、一住戸当たりの費用に換算すると最高一〇〇万円ほども差額があった。後日、この分譲会社は各住戸への見舞い金の支払いも含めて一億数千万円を拠出し、改修・取り替え工事を実施したという。皮肉な見方をすれば、雨漏りによって早期にずさんな施工が発覚したからよかったものの、これが火災や地震に襲われて判明したときには、もう手遅れだ。当然ながら、長寿マンションは、大前提として、安全が確保されていなければならないのである。