雇用にかんする規範としては作用している

2012-02-11

大企業に就社した人でもかなりの割合でその会社を辞め、他の会社に移っている。従業員一〇〇〇人以上の大企業において、定年を前にした五五−六〇歳従業員のなかで、高校を卒業してからずっとその企業に勤めていたのは一四パーセント、大卒でも三二パーセントにすぎない(一九九二年「賃金構造基本統計調査」)。また、名だたる大企業でも、戦後に解雇、希望退職募集あるいは早期退職募集という形で事実上の首切りをおこなった例は数多くある。

(参考サイト)
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雇用慣行の歴史と現状をみれば、日本企業の雇用慣行は終身雇用である、という命題は事実認識として誤っている。では、終身雇用は幻想であった、と言い切ってしまっていいのだろうか。たしかに、労働契約、労働協約その他の文書にも、口頭での約束もない。文字どおりの終身雇用は大企業の中でも一部の人にあてはまるにすぎない。しかし、だからといって、終身雇用は幻想である。日本の大企業とアメリカの大企業とのあいだになんの違いもない、と断言することは正しくない。終身雇用は実態として存在していなくとも、雇用にかんする規範としては作用しているからである。