30年以上も前のこと

2011-08-12

もう30年以上も前のことです。私は米国ミシガン州のKalamazoo大学に1年間留学しました。学生寮では、M君というルームメイトがいました。ある日彼と話をしているときに、私の機嫌が悪いことを伝えようとして、「Iamoutofhumor.」と言ったところ、M君は「What?」(なに)と、きょとんとしました。そこで別の言い方をすると、はじめて機嫌が悪いことが通じました。「しかし「Iamoutofhumor.」は学校で習ったし、確かに英熟語として覚えたのに」と私が首をかしげていると、M君は「本にはそう書いてあるかもしれないが、そんな言葉は使わない」と言うではありませんか。これには、ショックを受けました。別の日のことです。部屋で勉強していたM君が英語の辞書(あっちの辞書は日本で習う英語と実用英語は違うと英英辞典)を使っていました。それを自分の目ではじめて見たとき、「へー、アメリカ人でも英語の辞書を引くのだ」と、妙な気持ちになりました。よく考えれば、日本人が国語の辞書を引くのと同じで、ごく当たり前のことなのですが、ネイティブはどんな単語でも知っている、山のようにたくさんの単語を知っているにちがいないという勝手な思い込みがあったのです。M君は大変優秀な若者で、気さくな人気者でもありました。