被害者側の立場から考えると、裁判で認められるであろう金額をもとにして、損害算定の誤差の可能性、裁判で決着がつくまでの時間と手間、弁護士にかかる費用、解決までの精神的負担などもろもろの事情を比較検討したうえで、示談交渉で提示してきた額で妥協すべきか否か、判断すればよいのです。もちろん交渉の過程で提示金額が増額されることもあるでしょうから。相手方が譲ることのできるぎりぎりのところでこのような判断を迫られることになります。弁護士に依頼したからといって必ず裁判になるわけではありません。弁護士と保険会社とが更に交渉し、裁判で認められるであろう金額に近い額で示談が成立するかもしれません。裁判になると、また裁判にならないまでも弁護士に頼むと、弁護士費用がかかります。裁判となれば、そのうえ時間もかかります。解決まで精神的負担を負いながら裁判を遂行しなければなりません。そのようにして得られる金額から費用を差し引いた残りが、示談で提示された金額といくらも変わらないのであれば、裁判にかけるメリツ卜はありません。示談すべきということになるでしょう。ほとんどの事案では。示談の提示額より裁判で認められるであろう金額のほうが多いはずです。その差額が、被害者側かもろもろの諸事情と照らし合わせ、示談すべきか、あるいは弁護士に依頼し、裁判にいくか、判断の基準となる金額であるのです。