ひと月ほどして最終日に出会ったH氏から絵葉書が送られてきた。複写されたもののようであったが、その素晴らしい水彩の風景画に旅仕様の自転車も描かれているのを見て、すぐにご本人の手になるものであることがわかった。深き山々を背景に、どこかおおらかな気品のある会津の民家や納屋が点在し、傍らの道には、晩夏の、昼下がりの光が遊んでいる。会津の、のんきであり、しかしその中に一種透明に忍び込んでいる明るい霊感がいきいきと写しとられているようで、私は感動した。
[参考サイトのご紹介]
前橋・高崎・伊勢崎・太田・榛名周辺の宿泊施設・宿 - じゃらんnet
http://www.jalan.net/090000/LRG_091400/
西鉄イン黒崎 - じゃらんnet
http://www.jalan.net/yad311317/
八丈島パークホテル - じゃらんnet
http://www.jalan.net/yad310816/
そのH氏に遅ればせの便りを書きながら、思った。約600kmの旅の間、とうとうクラクションを鳴らされたのは1回だけ、それも、抜くから気をつけな、といった合図程度だった。数日間にわたって北国のドライバーのやさしさに感銘していたのだけれど、では私が静岡から喜多方に着くまでに、いったい何台の車が私を追い抜いて行ったのか、はたと考えてしまった。そのうちの1台が、悪意がないにせよ、ハンドルを少し振っただけで、私はH氏にも会うことができなかっただろう。無事は当たり前ではなく、有難いことなのだ。われわれは、それをいつも忘れているのである。その年の暮れに、会津川口の民宿のおばちゃんにも、自転車の写真を入れた年賀状を書いた。返事が来た。「なつかしく何回も読みましたお泊りいただき本当に有難う又来て下さいね」と書かれていた。葉書を見て涙がのんだのは、それが初めてだった。