「妻」という最高の座をもらったことを忘れないでほしい

2011-06-13

結婚している人で、何の不満も持っていない人というのは、たぶん、皆無に近いんじゃないかと思うんです。繰り返し続いていく日常の中で、やさしさは減り、お互いを思いやる気持ちも徐々に薄らいで、相手のよさよりも、やがて欠点ばかりに目がいくようになってくる。いつかはそんな日も訪れるでしょう。結婚して独身時代の自由を失って、そのうち少しずつ新鮮味を失っていく。これは男にも女にも同じことが言えると思いますが、かつてはあんなに激しく愛し合っていた二人であったとしても、お互いが生活の一部になってしまうと、ときに他の異性に目移りするということもあるでしょう。これは避けられない現実なんです。昔みたいにやさしい言葉なんてかけてもらえないし、女としても見てもらえない。新婚のころには「妻」という座を得たことで、誇らしいような嬉しい気分を味わったことも、結婚して何年もすると忘れてしまう。そんなときに、自分を女として見てくれる男性が現れたら、いけないとわかっていても夫以外の男性に惹かれることもあるかもしれません。人の気持ちは縛れないものだから、そんなことはしてはいけないと言われても、恋する気持ちは止められるものじゃない。でも、そのときに自分はどこに帰るのか。長い結婚生活のあいだには、自分が不倫の恋に落ちてしまうこともあるし、相手に浮気されることもあるかもしれない。そのことで迷ったり、傷ついたりすることもあるでしょう。でも、そのときに忘れてはいけないのが、外で他の異性と会っていたとしても、その晩帰っていく場所は夫や妻のいる、自分たちの家なんです。最終的に戻るところはこの人のところだという、その公然の約束が結婚なのかもしれません。僕は、それでいいと思うんです。それでも一緒にいたいという気持ちがあるのなら。結婚は、それ以下でもそれ以上でもない。人は一緒にいたくない人間と暮らすことはできないんです。自分は離婚したいのに、子どもがいるからとか世間体が悪いとかという理由をあげて、「だから離婚できないんです」と言う人がいますが、本当に一緒にいたくないのなら、どんな理由があろうと離婚しています。