持家は住宅の主要な所有形態としての位置を占め続けている。この意味では持家社会は持続力をもつ。しかし、住まいと家族・仕事の「梯子」を円滑に登る人たちは減少し、メインストリームを拡大する力は弱まった。二〇世紀後半の持家社会と同様の社会が再生産される見込みは縮小し、住宅と社会変化の関係をどのように編み直すのかという問題の重要性が高まっている。結論は、住まいの条件を再構築するには、標準パターンのライフコースを前提としそこに援助を集中するのではなく、暮らしの実践が脱単線化している状況を踏まえ、複線のライフコースを中立的に支える必要がある、というものである。
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住宅システムは住まいの条件に関わる制度上の「有利/不利」をつくり、多くの人びとをメインストリームに導いた。この「有利/不利」の差は、多数の人たちを「梯子」に誘導する力を生んでいた。しかし、住宅経済の不安定化、結婚と家族の変容、労働市場の流勣化のもとで、不利な領域の人たちが有利な領域に移ることはいっそう難しくなった。住宅条件の「有利/不利」を設けるシステムは、メインストリームの内と外を結びつける力を失い、両者を切り離し、不利な人たちの状況を固定し始めている。